ログイン時の困りごとを画面起点で解決するAIチャットの提供開始

株式会社SBI証券と株式会社Ridge-iは、共同開発した生成AIチャットサービス「SBI証券チャットサポート」を2026年10月30日より提供開始したと、Ridge-iのプレスリリースで発表しました。SBI証券ではセキュリティ対策に伴ってログイン手続きに関する問い合わせが増加しており、安全性と利便性を両立するため、ログイン関連のサポート体制整備を優先して着手した背景があります。
本サービスは、ログイン画面上のAIチャットアイコンなどから利用できます。特徴的なのは、ログイン時などにエラーが表示された画面からチャットを起動すると、状況に応じた解決策が自動で表示される仕組みです。利用者がエラーコードや表示メッセージを自分で調べて入力し直す手間を省き、困っているその場での自己解決を促します。
有人窓口への適切な案内と会話要約の引継ぎ
AIチャットですべての問い合わせが完結するわけではありません。本人確認が必要な手続きなどAIでの解決が難しい場合には、問い合わせ内容に応じて有人チャットや電話予約といった適切な窓口が、待ち時間の目安とともに案内されます。
さらに、チャット内で行われたやり取りは要約され、有人オペレーターやメールでの問い合わせ窓口へ引き継がれます。窓口を移動するたびに利用者が同じトラブル状況や試した操作を最初から説明し直す負担を減らし、対応する側もこれまでの経緯を把握した状態で案内を始められる構成です。
サポート担当者が自ら改善を回せる運用基盤
発表資料では、システム導入後の運用体制についても触れられています。カスタマーサポート担当者自身が、KPIのモニタリングや多角的な内容分析を行い、ナレッジの修正からAIのテスト、本番公開までを自ら実施できる運用基盤が整備されています。
外部の開発部門やベンダーに毎回修正を依頼することなく、日々の問い合わせ傾向や誤答の兆候を捉えてサポート現場の手で回答品質を継続的に向上させられる環境を整えている点も、実務に即した工夫です。
会員サービスでの応用と小規模な試作の進め方
この事例の設計は、会員サイトや予約サービスを運営する企業にとっても参考になります。利用者がつまずきやすい場面として、例えば会員制予約サイトにおけるログインエラーを仮定してみます。パスワード忘れやアカウントロックなど、問い合わせ履歴の中で頻出している特定のエラー画面を一つ選び、その画面からチャットを立ち上げた際に該当する解決手順を提示する導線を検討する形です。
もし自己解決に至らなかった場合は、利用者がすでに試した操作や未解決の要点をまとめ、既存の問い合わせフォームの備考欄や受付システムへ引き渡す形が考えられます。これにより、利用者の説明負担を減らしながら、サポート担当者が状況を把握しやすくなります。
実装にあたっては、使用しているチャットツールやフォームの標準機能で設定できる範囲と、画面情報の受け渡しやCRMとの連携のために個別開発が必要な範囲の切り分けが必要です。画面からどのような情報を取得して外部へ渡せるか、利用するAIのデータ保持方針や接続先の認証方式はどうなっているかなど、現行システムの仕様を確認しながら小さな対象で検証を進めるのが現実的です。
問い合わせ業務の整理とシステム接続のご相談
画面の状況に応じた案内や、AIから有人窓口への情報引き継ぎを実現するには、単にAIツールを導入するだけでなく、既存のWeb画面や問い合わせ窓口との接続設計が欠かせません。
デノフでは、Webサイト・業務システムの設計・開発・運用保守やAI活用支援を通じて、問い合わせ業務の整理からAIを活用する業務の選定、既存システムとの接続方法の検討まで対応しています。どのエラー案内から試すべきか、現行の窓口とどのように連携させるかなど、具体的な検討段階からのご相談はデノフへの相談窓口でお受けしています。



