AWSは2026年10月23日、Amazon BedrockのWeb Search機能において、ドメインフィルタリングとユーザー位置情報の指定に対応したと発表しました。この内容はAWSによるドメインフィルタリングとユーザー位置情報制御の発表で公開されています。従来のWeb検索では参照先や対象地域の絞り込みが難しかった場面でも、回答の根拠となる情報源のより精緻な制御が可能です。

各機能は、Amazon BedrockのResponses APIリクエストにおいて、web_searchツールのパラメータとして設定します。利用にあたっては対応モデルの指定が必要です。また公式ガイドでは、bedrock-runtimeエンドポイントではなくbedrock-mantleエンドポイントで呼び出す条件が示されており、すべてのBedrock呼び出しで使えるわけではありません。設定時はfiltersパラメータを用い、許可ドメインのallowed_domainsや除外したいドメインのblocked_domainsをそれぞれ最大100件まで指定できます。さらに任意指定のuser_locationを設定することで、地域別の提供状況や地域サービスなど、場所によって内容が変わる問い合わせに対応した検索結果を取得しやすくなります。

地域指定の既定値と検索処理が行われるリージョン

地域別の案内を業務に組み込む際は、パラメータ省略時の挙動に注意が必要です。Amazon Bedrock Web Searchの公式ガイドによると、user_locationが未設定または空の場合、地域は自動的に米国が既定値として適用されます。地域指定自体は任意パラメータであり、質問文だけでも検索自体は可能です。ただし日本国内の地域に向けたサービス案内を扱う業務では、意図しない地域が適用されるのを避けるため、システム側から明示的に地域パラメータを渡す設計を検討するのが有効です。

また、検索対象の地域と、検索処理が実行されるAWSリージョンは異なります。発表時点でWeb Searchが提供されているのは、米国東部(バージニア北部、オハイオ)、米国西部(オレゴン)、およびAWS GovCloud(米国西部)です。公式ガイドでは、Web Searchのクエリ、取得、インデックスデータ、検索結果はリージョンをまたいでルーティングされず、発行されたリージョン内にとどまると説明されています。国内の業務データを扱う場合は、自社のセキュリティ方針やデータ保持の要件と照らし合わせて利用リージョンの検討が必要です。

引用の存在とページ本文取得の違い

Web Searchの公式ガイドでは、検索(Search)とページ取得(Fetch)の2段階の仕組みが解説されています。注意が必要なのは、回答に引用(citation)が付いていても、必ずしも対象ページの全文が取得(Fetch)されたとは限らない点です。検索インデックスの情報(Search observation)だけに基づいて引用が生成されるケースがあるため、引用の有無だけで最新の本文内容まで完全に反映されたと判断することはできません。

公式ガイドでは、エンドユーザー向けに回答を表示する際、モデルが出力した出典引用とリンクを保持・表示することが求められています。また、取得の成否や参照元の監査にはAWS CloudTrailのfetchedSourcesフィールドを確認する方法が案内されています。AIが生成した回答をそのまま自動返信するのではなく、出典リンクを担当者が開いて案内条件や対象地域を確認できる運用を前提にするのが現実的です。

問い合わせ管理画面へ組み込む運用の仮定例

地域ピンが描かれた紙と参照ページを虫眼鏡で照合する手元と、横に置かれた回答下書きの紙

たとえば国内の住宅設備会社が、問い合わせ元の住所を基にメーカー公式サイトの修理対応地域や受付窓口を確認する場面を考えてみます。顧客が入力した市区町村情報をシステムが判別し、メーカーの公式ドメインと地域パラメータをBedrockのWeb Searchへ渡す構成です。

得られた回答候補と参照元リンクを既存の問い合わせ管理画面に表示し、担当者が提示された機種や対応地域、受付条件の原文をリンク先で照合してから返信文を確定します。ドメインを公式サイトに絞り込むことで無関係なサイトの混入を防ぎつつ、地域指定によって該当エリアの情報を優先して拾い上げ、最終確認を担当者が担うことで案内ミスを防ぐ設計です。

このような仕組みを検討する際は、対象となるメーカーサイトが検索インデックスに適切に反映されているか、国内の市区町村指定で意図した情報が引き出せるかを事前に小さくテストして確かめることが大切です。

既存業務へのAI組み込みに向けたご相談

地域別の公開サービス案内を確認するAI補助機能を業務へ導入する際は、検索機能を単体で検証するだけでなく、既存の問い合わせ管理画面との接続を見据えた設計が重要です。具体的には、対象とする問い合わせの切り分けや地域情報の受け渡し方法、回答候補と引用リンクの画面表示、担当者による最終確認のフローや小規模な試行範囲の決定など、業務手順に合わせた具体的な要件を整理していく必要があります。

デノフのサービス案内に記載のとおり、デノフではWebサイトや業務システムの設計・開発・運用保守を手がけており、業務の整理からAIを活用する業務の選定、ツール選定、導入後の定着までを一貫して支援しています。地域別案内を扱う問い合わせ管理画面との連携設計や、公開情報を活用した業務自動化の仕組みづくりについて検討されている方は、デノフへの相談窓口よりお気軽にご相談ください。