途中経過を保持して作業を再開できる永続セッション

2026年9月29日、AWSはOpenAIと共同開発した「Amazon Bedrock Managed Agents(BMA)」のプレビュー提供を開始したと発表しました。詳細はAmazon Bedrock Managed Agentsの公式発表で案内されています。

この機能の特徴は、モデルとの対話やツールの呼び出し履歴、中間結果を「永続セッション」としてサービス側で保持できる点です。これにより、複数ステップにわたるタスクの途中で一度作業を離れ、後から新しい情報や指示を追加して、それまでの進捗を引き継いだまま処理を再開できます。専用のIAMロールによる権限管理や、重大な操作の前に人間の承認を挟む仕組み、対応するAPI活動のAWS CloudTrailへの記録などもサポートされています。なお、人間の承認はすべての操作で必須とされているわけではありません。

ツールの実行場所とファイルのライフサイクル

アプリケーションがBMAを呼び出し、BMAがAmazon Bedrock上のOpenAIモデルを呼び出して利用者の実行環境とツール要求および結果をやり取りすることを示す構成図
引用元:AWS What's New RSS — official documentation

エージェントの会話管理が自動化される一方で、ツールが動作する計算環境は利用者が用意する必要があります。Amazon Bedrock Managed Agentsの公式ドキュメントによると、実行環境には利用者が所有する自前のホスト、またはAWS上で管理されるAmazon Bedrock AgentCore Runtimeのいずれかを選択する構成が案内されています。

ここで運用設計上重要になるのが、サービスが管理する会話と、実行環境で扱われるファイルのライフサイクルが分かれている点です。公式ドキュメントに明記されているとおり、BMAのセッションを削除しても、利用者が所有するS3バケットやホスト上に保存されたファイルは自動的には削除されません。会話の終了やセッションの破棄と、業務データとして生成されたファイルの保管・廃棄は、別の管理体系として設計しておく必要があります。

なお、発表時点でのプレビュー提供リージョンは米国東部(バージニア北部、オハイオ)および米国西部(オレゴン)の3拠点です。パブリックプレビューであるため、今後の機能やAPIの仕様変更が行われる可能性がある点にも留意が必要です。

仕様書の確認メモ作成に見る、実務での検証アプローチ

この仕組みを日常の文書処理に応用する場合、どのような検証が考えられるでしょうか。たとえば国内の卸売会社において、取引先から届いた仕様書と、その後にメールなどで届く追加の回答内容を突き合わせ、社内向けの確認メモを作成・更新する業務を仮定してみます。

最初のステップでは、仕様書の架空サンプルを用意し、一次確認メモを作成させます。次に、別の問い合わせ回答が届いたという想定で、同じセッションに追加の情報を入力し、過去の文脈を維持したままメモが正しく更新されるかを確かめます。この段階で、会話が途切れることなく作業を継続できるかどうかが分かります。

並行して確認しておきたいのが、出力された中間ファイルや最終確認メモの取り扱いです。生成物を検証用の保存領域へ書き出し、BMAのセッションを削除した際に、保存先ファイルが意図通り残存するか、また業務ルールに応じた削除処理が別系統で正常に行えるかをテストします。会話の進行確認とファイルの保持確認を分けて検証することで、導入後の運用トラブルを未然に防ぎやすくなります。

既存業務システムへの接続と運用設計のご相談

会話の状態管理をクラウドサービス側に委ねられるようになっても、社内の文書保管庫や基幹システムとツール実行環境をどう安全に接続するか、生成された文書をどの権限で既存データベースへ反映するかといった課題は、個別のシステム構成に合わせて整理する必要があります。

株式会社デノフでは、デノフのサービス案内に掲載しているとおり、Webサイトや業務システムの設計・開発・運用保守から、業務の整理、ツールの選定、AIを活用した業務自動化の構築までを一貫して手がけています。既存システムとの連携方式の検討や、人間が介在する確認フローを含めた業務プロセスの具体化についてお悩みの際は、デノフへの相談窓口よりお気軽にお問い合わせください。