担当業務に合わせて顧客情報画面を設計できる新機能

2026年10月22日、AWSはAmazon Connect Customer Profilesにおいて、管理者がProfile Explorerで作成したレイアウトを使い、エージェントワークスペース上の表示内容と配置をカスタマイズできるようになったと発表しました(AWSによる発表内容)。

Customer Profilesは、接触履歴と複数の情報源にある顧客データを組み合わせ、応対中の担当者に統合された顧客ビューを提供するサービスです。従来のCustomer Profiles表示に代わり、接触履歴や連絡先、顧客生涯価値(LTV)の計算属性といった各種ウィジェットを組み合わせたレイアウトを作成・保存し、担当者へ割り当てられるようになりました。発表資料では航空会社を想定した例として、手荷物対応の担当者には搭乗便や手荷物受託情報を提示し、会員対応の担当者には会員ランクや今後の予約便を表示するといった使い分けが挙げられています。

また、各レイアウトには顧客プロファイルの要点をまとめる「AI Profile Summary」を任意で組み込むことも可能です。すべてのレイアウトで要約の配置が必須となるわけではなく、業務の特性に応じて情報の優先度を柔軟に調整できます。

複数識別子での検索と、表示項目を選定する前提

顧客対応の画面を業務に合わせて最適化するには、レイアウトの調整だけでなく、基盤となる顧客データの照合方法をあらかじめ確認しておく必要があります。

公式ドキュメントであるProfile Explorerの解説では、メールアドレスや電話番号、予約番号といった複数の識別子を同時に用いてリアルタイムに顧客を検索し、特定の業務要件に合わせたドメイン固有のレイアウトを設計できる機能が案内されています。

ただし、管理画面で見せたい項目を配置できることと、社内の既存システムから必要なデータを安全に接続し、同一顧客として正しく結び付けられるかは別の検討事項です。画面上で非表示にした項目に対するデータ閲覧権限の管理や、問い合わせの種類に応じたレイアウトの自動切り替えに対応しているかといった細かな仕様は、今回の発表資料からは確認できません。

加えて、発表で示されたProfile Explorerの提供地域は、米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、ケープタウン、ソウル、シンガポール、シドニー、カナダ中部、フランクフルト、ロンドンとなっており、一覧に東京リージョンは含まれていません。日本国内の業務環境へ適用を考える際は、現在利用しているAWS環境のリージョンや、顧客データの処理・保持に関する社内基準との整合性を事前に確かめておく必要があります。

国内業務での仮定例 受注照会と修理受付における情報の整理

ノートPCの空の画面枠に、人物や荷物、工具を表すカードを手作業で並べて情報を整理する様子のイラスト

国内の企業がこうした仕組みの導入を検討する場合、どのような視点で情報と業務を整理できるでしょうか。ここでは機器販売会社を想定した仮定例をもとに考えてみます。

たとえば同じカスタマーサポート窓口であっても、受注照会を担当するスタッフには注文番号、決済状況、納品予定日の情報が手元にあることが求められます。一方で修理受付を担当するスタッフには、機器の型番や製造番号、保証期間、過去の修理や問い合わせの履歴が判断の材料です。まずは業務ごとに回答判断へ直結する項目を洗い出し、それらが基幹システム、EC管理画面、保守データベースのどこに保管されているかを整理します。

次に、それらの情報を結び付ける顧客識別子(電話番号、注文ID、シリアル番号など)の照合条件を確認し、標準機能の設定で表示できる範囲と、個別の連携開発が必要な範囲を切り分けます。AI要約の利用を検討する場合も、いきなり実務全体へ広げるのではなく、社内で検証が許可されたデータを用いて、代表的な問い合わせパターンで試行するのが堅実です。元の顧客データと照合しながら、対応の判断に欠かせない例外事項や未完了の対応履歴が要約から抜け落ちていないかを点検します。今回の参照資料からはAI要約の日本語での表現精度や要約項目の指定方法までは確認できないため、実務で使える品質かどうかを段階的に確かめる手順が役立ちます。

設定とシステム連携の切り分けから始める相談

応対画面の最適化は、画面上の配置を変更する作業にとどまらず、社内に点在するデータの所在を整理し、必要な情報だけを安全に呼び出すデータ連携の設計と一体で進める必要があります。標準設定で完結できる領域と、個別システムの改修やAPI連携が必要な領域をあらかじめ見極めておくことで、手戻りを抑えた導入計画を立てやすくなります。

デノフでは、業務の整理からAIを活用する業務の選定、ツール選定までを支援するAI活用支援や、顧客管理・予約管理など日々の業務手順に合わせたシステム開発を一貫して提供しています(詳しくはデノフのサービス案内をご覧ください)。

対象とする問い合わせ業務の絞り込みから、画面に集約すべき顧客項目の選定、既存システムとの接続設計やAI要約の試行評価まで、実務に即した具体的な範囲の整理をお手伝いします。顧客対応画面の見直しやデータ連携の設計をご検討の際は、デノフへの相談窓口よりお気軽にご相談ください。