AgentCore CLI 1.0の登場と既存リソース直接操作
AWSは2026年10月28日、Amazon Bedrock AgentCore CLI version 1.0(@aws/agentcore 1.0.0)の一般提供を発表しました。発表の詳細はAWS公式のAgentCore CLI 1.0提供開始のアナウンスで公開されています。
今回の更新で特徴的なのは、関連リソースをまとめて扱うプロジェクト単位のワークフローに加えて、harnesses、runtimes、memory、identity、gateways、paymentsといった個別のAgentCoreリソースを、先にプロジェクトへ追加することなく直接扱えるようになった点です。また、既存プロジェクトを新バージョンへ移行するための手段として、agentcore migrateコマンドも案内されています。ただし、移行によって変更されるファイルの詳細や互換性、復旧手順などは個別に検証して確認する必要があります。
一括配備の「プロジェクト」と個別運用の「リソースコマンド」

操作体系の役割分担については、公式リファレンスのAgentCore CLI操作ガイドで整理されています。公式ドキュメントでは、関連リソースを定義して一括で配備する用途にはproject workflowsを使い、配備済みの個別リソースを直接操作する用途にはresource commandsを使うと説明しています。resource commandsの多くが担うのは、リソースの読み取り、一覧取得、および呼び出し(read, list, invoke)です。
さらに、既存リソースをIDやARNで直接呼び出せる機能に加え、コマンド間で共通して利用できるグローバルフラグとして、リージョン選択、JSON出力、デバッグ、バージョン表示が提供されています。これにより、日常の運用確認や障害調査において、プロジェクト全体を再配備することなく、特定のリージョンにある個別リソースの状態をCLIから直接確認したり、JSON出力を利用して運用スクリプトと連携させたりする手順が検討しやすくなります。
既存の業務APIと連携する試作の進め方
Amazon Bedrock AgentCoreの製品案内では、内部API、MCPサーバー、ナレッジベース、Lambda関数といった多様な接続先に対して、エージェントがアクセスする際の認証やアクセス制御を支援する基盤としてAgentCoreが位置付けられています。
この仕組みを社内業務へ応用する場合を考えてみます。例えば、国内の卸売会社が、受注管理APIの検証用データから出荷状況を参照し、社内担当者向けの回答案を作成する業務AIを試作する場面を仮定します(これは実在の事例ではなく検討用の仮定例です)。このような試作では、関連リソースを定義して配備する初期構築の手順と、稼働後に配備済みリソースのIDやARNを指定して挙動を確かめる運用確認の手順をあらかじめ分けておくことが役立ちます。
CLIを使えば、配備済みリソースの呼び出しや出力の取得といった標準的な操作は確認できますが、実際の業務適用には個別設計が必要です。受注管理APIのデータ項目とAIへの入力の対応づけ、社内システムの認証方式との整合性、該当データが存在しない場合や権限不足時の例外処理などは、業務環境に合わせて個別に設計・検証しなければなりません。まずは検証用データを用いた限定的な参照処理から着手し、APIの接続確認と業務回答の妥当性評価を切り分けて記録していく進め方が現実的です。
業務AIの試作と運用設計のご相談
業務システムと連携するAIを導入する際は、新しいツールのコマンド体系を把握するだけでなく、既存システムのAPI仕様や権限設計、導入後に誰がどのように運用・保守を担当するのかという体制づくりが不可欠です。
デノフでは、デノフのサービス案内に記載の通り、Webサイトや業務システムの設計・開発・運用保守を一貫して手がけているほか、業務の整理からAIを活用する業務の選定、ツール選定、導入後の定着支援、業務に合わせた自動化の仕組み構築に対応しています。社内の既存APIと連携させたAIの試作範囲の決定や、認証・連携要件の整理、運用を見据えた手順設計をご検討の際は、デノフへの相談窓口よりお気軽にお問い合わせください。



