4つの提供地域が追加されたWeb Search機能

AWSは2026年10月15日、Amazon Bedrock AgentCoreのWeb Search Toolについて、US East(Ohio)、US West(Oregon)、Asia Pacific(Sydney)、AWS GovCloud(US-West)の4地域で新たに対応したことを発表しました。この内容はAWSの公式発表資料で確認できます。Web Search Toolは、エージェントが学習時の知識に限定されず、Web上の最新情報を取得して回答の根拠とするためのフルマネージドツールです。

一方、公式ドキュメントの利用可能地域一覧にはAsia Pacific(Tokyo)も記載されています。東京リージョンは今回の追加発表に含まれた4地域とは異なり、いつから利用可能になったかという初出の時期は今回の発表資料からは確認できません。日本国内のシステムとの連携を検討する際は、今回の発表で追加された地域と、既存のドキュメントに記載されている提供地域を区別して把握しておく必要があります。

GatewayとMCPによる接続、ドメインを絞り込む仕組み

Web Search Toolは、AgentCore Gatewayへ接続して利用するマネージドコネクタとして提供されています。エージェントは標準的なtools/list呼び出しによってツールを検出し、Model Context Protocol(MCP)に準拠したツールとして呼び出す仕組みです。この構造や設定条件の詳細はWeb Search Toolの公式ドキュメントにまとめられています。

検索範囲の制御においては、ターゲット単位で設定する除外ドメインに加え、コネクタのバージョン1.2.0以降であればターゲット単位の包含ドメイン設定や、リクエストごとのドメイン指定、ISO-8601形式による公表日範囲の指定にも対応しています。リクエスト単位のフィルターによって管理者が設定した包含ドメインを超えて結果を広げたり、除外設定を上書きしたりすることはできない点が重要です。管理側が参照すべき公式ドメインの枠組みをあらかじめ定めておくことで、意図しないWebサイトからの情報取得を防ぎやすくなります。

関連箇所の抜粋と、利用者向け出力への出典表示条件

検索結果の取得形式にも注意が必要です。Web Search Toolは対象Webページの全文や生のHTMLをそのまま返すのではなく、クエリに関連する箇所を抽出したセマンティック・スニペットと呼ばれる抜粋を返します。これによりモデルが処理するコンテキストの消費を抑えられますが、全文に含まれる前提条件や例外規定が抜粋から漏れる可能性も考慮しなければなりません。

また公式ドキュメントでは、Web Search Toolの検索結果を利用してエンドユーザー向けの出力を作成する場合、各検索結果に付随する出典表記とリンクを保持して表示することが明記されています。AIがまとめた要約文だけを表示するのではなく、参照したWebページのタイトルやURLを確認できる導線を業務画面側に用意することが、利用条件を満たす上でも、業務の正確性を保つ上でも欠かせません。

国内業務での仮定例:メーカー公開情報の調査を小さく試す

国内の業務へ応用する場面として、取扱メーカーが公開する製品の更新情報や仕様変更を定期的に調べる卸売企業の業務を仮定例として考えてみます(実在の案件ではありません)。自社で取り扱うメーカーの公式ドメインのみを管理者設定の包含リストに登録し、更新情報の要約と元のページへのリンクを社内の商品確認画面に表示する構成が想定されます。

このような仕組みを検討する場合、まずは現在の調査業務で日常的に参照している公式サイトと必須確認項目を整理し、過去に公表された既知の製品発表を対象にして検索漏れが生じないか確かめる進め方が現実的です。要約の各記述が出典元の抜粋と整合しているか、業務判断に必要な情報が落ちていないかを小規模に確認します。ただし、対象メーカーのWebサイトが検索インデックスに十分含まれているかや、日本語の型番・表記揺れに対して意図した検索結果が得られるかは、個別の環境で実際に確かめる必要があります。

業務整理から画面連携までのご相談

公開情報の調査にAIを取り入れる際は、検索機能の設定にとどまらず、どの業務工程をAIに任せ、どの画面で担当者が出典を確認するかという業務フロー全体の設計が重要です。

株式会社デノフでは、Webサイト・業務システムの設計・開発・運用保守やAI活用支援を提供しています。日々の調査手順の整理やAIを適用する範囲の検討、既存の社内システムへの接続方式の検討、出典リンクを適切に確認できる業務画面の試作まで一貫して支援します。調査業務の効率化や社内ツールの改修について検討されている場合は、要件が固まる前の段階でもデノフへの相談窓口からお気軽にご相談ください。